「介護」「世話」などの義務を課す代わりに財産を遺す方法が「負担付遺贈」です。「負担付遺贈」を活用すれば心残りのない遺言書が作れますが、注意点も存在しています。
ここでは、負担付遺贈の注意点と遺言書の書き方について、福岡の遺言・相続対応の行政書士が詳しく解説しています。
負担付遺贈について
遺言書で遺贈するとき、財産を遺す代わりに受遺者に義務・負担をかすことを「負担付遺贈」といいます。
「負担付遺贈」は、配偶者の介護やペットの世話を条件に不動産や預貯金を遺贈する場合に使われます。
負担付遺贈の注意点
「負担付遺贈」は条件のある遺贈方法として意義深い方法ですが、押さえておく注意点があります。ここで、「負担付遺贈」の注意点を確認します。
受遺者が義務・負担を履行しない
「負担付遺贈」の効果は、遺言者の死後です。受遺者が財産を受け取って、義務・負担を履行しないことも考えられます。
相続人や遺言執行者は、義務・負担を行わない受遺者に対して、履行を催告することができます。それでも履行がない場合は、家庭裁判所に「負担付遺贈」の遺言の取消しを請求で可能です。
受遺者が「負担付遺贈」を放棄する
「負担付遺贈」について話し合いをしていなかったら、受遺者が「負担付遺贈」を放棄する可能性があります。
受遺者が「負担付遺贈」を放棄すれば、遺言書に別段の定めがない場合は相続人が承継します。
負担付遺贈の義務・負担の上限
「負担付遺贈」の義務・負担の限度は、遺贈の財産を超えないことです。
義務・負担が遺贈財産の価格を超える場合は、受遺者は財産価格以上の義務・負担を負うことは必要ありません。
負担付遺贈の遺言書の書き方について
「負担付遺贈」の注意点を踏まえて、「負担付遺贈」の遺言書の注意点について確認します。
受遺者との話し合い
突然の「負担付遺贈」では、受遺者が動揺してしまいます。
突然の「負担付遺贈」を受けるのではなく、受遺者と遺言書作成前に話し合うことが、遺贈の放棄や義務・負担の不履行を防ぎます。
遺言執行者の指定
「負担付遺贈」の遺言書で遺言執行人を指定しておくことによって、受遺者の義務・負担を第三者がチェックできます。
相続人と遺言執行者で、「負担付遺贈」の受遺者の履行をチェックできる体制を想定しましょう。
財産と義務・負担の調整
「負担付遺贈」の財産と義務・負担が均衡のとれたものとなるように注意します。
財産以上の義務・負担の履行は行う必要はないため、受遺者の義務・負担に注意しましょう。
「負担付遺贈」の遺言書作成について
「負担付遺贈」の遺言書を作成するときは、法的有効性に注意必要です。
民法で定められた遺言書の要件をみたしていなければ、遺言は無効です。また、法的効力とは別に「負担付遺贈」の注意点を考慮して、遺言書を作成することが大切です。
行政書士の遺言書作成について
行政書士は、法的に有効な遺言書作成を安価でサポートしています。「負担付遺贈」についても依頼者の意図にあった遺言書案を考えます。
「負担付遺贈」の遺言書作成でお困りでありましたら、街の法律家である行政書士に相談するとよいでしょう。
本ブログを運営する福岡のプラウト行政書士事務所は、安価な費用で遺産分割協議書を作成し、相続手続きの悩みを解消しましょう。お問い合わせは以下からお願いします。